電気というのは、極めて堅く無機質であると思う人も多いでしょう。
銅線とか硬く、工業機械は強くて怖いというイメージがあります。
一方で、生物というのは、柔らかく細かい動きができる華奢なもの。
全然違うけど、それがいい。
でも、よくよく考えるとにてるんだよ!!
基本的なルール
生物と電気というものは、やっぱりこの世にあるのだから、同じルールで動いているはず!?
設計図
- 電気工学:回路図
- 生物工学:遺伝子
回路図というのは、一言で言えば、装置がどのように動くのかをイメージしたものです。
ランプなら、スイッチが押されたら点いて離したら消えるというやつです。
面白いことに、どんなに複雑な構造をしていても、少しの部品の知識さえあれば、
どのような動きをするのか、というものを理解することができます。
どんな、複雑な電気機器もよーく観察して分けてあげれば、単純なことに気が付きます。
- 時間を管理する部品
- 計算をしてくれる部品
- 外からの情報を持ってきてくれる部品
- 大事なデータを記憶してくれる部品
- エネルギーを使って物を運んでくれる部品
などという要素で構成しているだけです。
(この部門を詳細に理解するのは難しいですが)
それは、生物でも同じです。遺伝子という極めて長い複雑な情報を読み取って、上に書いたような部品を作ります。
設計図から安全に装置を作るために、数々の特殊な仕組みが存在します。一つの文字列でさえずれたらいけないので、それを正確に処理する技術や、仮にずれた場合はどのようにして生体に悪影響を与えずにフォローしてあげるのかといったことが重要になります。
環境が大切
生物というのは、タンパク質という部品をつかっています。それは、熱に弱いとされています。
熱というのは、
分子の振動と解釈されているので、熱ければスピードが上がるかと思うかもしれません。
でも、それだとタンパク質を構成している部品たちが、熱くなればなるほど暴れまくるという意味です。なので、バラバラになったり別の形になってしまうかもしれません。
また、冷やしすぎても今度は、分子たちが固まってしまい、本来の反応を起こさなくなってしまうかもしれません。
これは、電気工学でも同じです!!
特にPCなど電子工学を応用した装置では、
適切な温度で、適切な場所に適切な電気の流れ(電流)が流れるように作られています。
これは、正確な計算をしたり、予想していた動作をきちんとするためです。
電流を正しく導く制御をするためには、適切な温度でないと誤差が出てきます。
パソコンではなく、単純で大きな機械でも同じです。
モーターなどでも、アレニウスの法則から温度が10度上がるごとに、おおよそ寿命が半分になるといわれています。
これは、温度が上がると分子が速く移動してしまうので、形が崩れやすくなりがちだからです。
まもらなきゃ!
インターネットにあるものすべてのコンテンツが良いものとは限りません。
中には、サイトの検索バーにコードというプログラミングを入れることによって、
サイトの中の情報(会員データなど)を盗んだり、サイトの機能を悪用するといったこともできます。
たとえば、サイトに不適切な画像が出るように勝手に改造した
り、処理を無限ループさせたり、会員に迷惑メールを送るということもできるかもしれません。
これは、ウイルスでも同じです。
ウイルスというのは、自分の設計図はありますが、組み立てる能力がありません。
なので、ヒトなどの高等生物の中に入って組み立ててもらう必要があるのです!
簡単にいうと小学生が、スーパーで親にばれないようにカートの中にじゃがりこを
入れるような感じです。
- ウイルスが細胞の中に上手く入る
- 高等生物の細胞の設計図にそーと自分の設計図を忍び込ませる
- 高等生物がウイルスを勝手に作ってくれる
なので、これを防ぐためには、コンピューターウイルスでも生物のウイルスでもそうですが、暗号化してあげる必要性があります。
生物では、修飾といって設計図を暗号化することによってウイルスの設計図と区別します。
安全ですね!!
これに対して、
サイトでも同様に、特殊なランダムな配列をパスワードとして、
それを知っていた場合はログイン者と考えてそうでなければウイルスであると分類することができます。
安定性
これは、「環境が大切」の項目で説明したことと被るかもしれません。
電子顕微鏡レベルでみれば、この世の分子は全部動いています。
なので、常に移り変わっているという仏教の思想に近いです。
諸行無常というやつです。
なので、放っておくとどんなものでも不安定になり壊れます。
なので、それを壊れないように普通の状態に保つということが大切です。
このメカニズムの一つがフィードバック制御なので、良かったら以下の記事を参考にしてください。
このメカニズムは生物学、電気工学、制御工学といった様々な分野で応用されています。
合理性
生物学を勉強していて思うことが、エネルギーロス少なすぎやろ!!
ということです。
例えば以下のリンクにある電気ウナギの場合は、体の中にある電池のようなものを直列につなぎ合わせて高電圧を発生させるのですが、
この時のエネルギー効率はなんと100%とのこと
凄すぎやん!!!
ほかにも、ヒトは運動するときに出た熱量を体温調整のフィードバックに取り入れています。
このように、基本的にエネルギーは合理的に使用されていると考えられます。
なぜなら、
そうしないと空腹などに見舞われて長い世代生き延びることができなかったと考えられます。
ということを考えると、以下に無駄なエネルギーを使わないかということが生きる上で、かなり重要だったはずです。
一方で、電気工学には、主に
- エネルギーの有効活用
- 経済性
というキーワードが需要になります。
まず、エネルギーの有効活用は、
コージェネレーションシステムがあります。
コージェネレーションシステムでは、まずガスタービンを使って発電します。
そうすることで、タービンを回すのですが、どんなに頑張っても排気ガスという熱エネルギーのロスが生じます。
これは、熱の落差を利用してエネルギーを獲得するという熱力学第2保存則のためです。
温度差を作る以上どうしても熱のロスは出てしまいます。
なので、その排気ガスに含まれる熱エネルギーを利用して、また別の発電システムで発電します。詳しくは、以下の記事で解説しています。
高校物理の全体像
他にも回生制御というシステムも利用しています。
これは、電車や電気自動車がブレーキを踏むときに生じるエネルギーロスを有効利用する仕組みです。
これも、以下の記事で解説しているので見てください!!!
おねげーします!!
電気自動車は流行るのか?
応用例
そろそろ飽きてきたと思うので、具体的に、生物学の知識と電気工学の知識を用いてどのようなことができるのかを見ていきましよう。
生物コンピューター
生物というのは恐らく宇宙の中で最も複雑な「機械」だと考えられます。
なので、人類が科学で得た知見を利用して上手く演算処理に使うことができるのではないか?
と考える人は意外と多いようです。
ただし、それにはその複雑な構造故にどのように生体のノイズを解析するのかがカギになると思います。
以下の記事は恐らくまだ実験段階ではあるが、そのような技術がソフトウェアでなくハードウェアでできたら、メンテナンスフリーの装置を作ることができるでしょう。
このように、生物の複雑さをコンピューター工学に生かすというのは面白いと思える。
神経デバイス
神経デバイス
神経のニューロンから発せられる微弱な電気信号を上手くノイズをカットして検出することができれば、生体情報をコンピューターに送ることができます。
恐らく、こういうことができれば、念じるだけで、お湯をケトルで沸かしたり、電気を点けたりすることができるかもしれませんね。。
まとめ
人間とデバイスの区別が半導体有機化学の応用によって、
なくなっていくかもしれません。
そうすれば、視力を無くした人の視力を戻すといった、失った機能を人工的に補正することができるといった未来が来るかもしれません。
さらに言えば、死者の脳を取り出し、データベースにデータを保存することで、理想的には、人類の思想を半永久的に保存することが可能になるかもしれません。